Interview麴町山王マンション
マンション建替事業
(Brillia 二番町)/建替え体験記
信頼で築き上げた
安心と快適の住まい
5年間の調整と信頼関係を重ね、地権者の声に応えた建替え計画。
免震構造と最新設備で安心・安全な暮らしをかたちにしました。
建替えの概要
歴史と品格ある街、千代田区二番町に建つ『麴町山王マンション』。
1970年に竣工されたこのマンションは、地上12階・地下2階、住宅戸数53戸の中規模集合住宅として、長きにわたり地域の暮らしを支えてきました。
しかし、築年数とともに建物の老朽化が顕著になり、設備の不具合や耐震性の懸念が住民の生活に大きな影響を与えるようになりました。資産価値の低下や将来の不安を抱えるなか、理事会を中心に「建替え」という大きな決断に向けて動き出しました。
建替えへの道のりは決して平坦ではありませんでした。2004年から始まった検討は、デベロッパー選定の難航、地権者間での複雑な意見調整など、さまざまな課題に直面しました。
それでも一歩ずつ前に進み、2016年には東京建物をパートナーに迎え、2021年の建替え決議可決を経て、いよいよ新たな住まいづくりが動き出したのです。

建替えを検討したきっかけ
もともとこのマンションは、最初は一人のオーナーが所有していたものを後に区分所有に切り売りしたという背景があり、長年管理が行き届かない状態が続いていました。管理規約も存在せず、後からルールを整えていった経緯があります。会議室も物置になってしまっていたりと、運営面でも課題が山積みでした。
さらに、敷地は傾斜地で電気室が地下2階という構造もあり、災害時のリスクも懸念されていました。旧耐震という構造上の弱点もあって、「このまま住み続けて本当に安心できるのか?」という不安は理事の間でも大きく、私自身もいつしか「建替えしか道はないのではないか」と考えるようになっていきました。
『麴町山王マンション』を中古で購入したのは今から十数年前。当時ですでに築30年弱の物件だったため、建物や管理の印象は正直“くたびれている”というのが第一印象でした。
竣工は1970年。築55年の建物は、年に3~4回もの漏水、エレベーターの不具合など、大小さまざまなトラブルが日常化していました。もちろん、配管やエレベーターの修繕はこれまでも行なってきました。しかし、それも一時しのぎ。根本的な解決にはならず、かかる費用はどんどん膨らんでいくばかりでした。
 麴町山王マンション外観(2021年10月)
麴町山王マンション外観(2021年10月)
建替えで苦労した点
振り返れば、最初に動き出したのは2004年頃。当時から建替えを検討していたものの、コンサルタントに相談するにも費用面で難航し、なかなか本格的に進められませんでした。
また、複数のデベロッパーから提案を受けるようになるも、どこも決め手に欠け、私たちも「これだ」と決断できずにいたのが正直なところです。
さらに、地権者の中には不動産に詳しい方も多く、構造や法的な知識を持つ方々から細かい指摘や修正案が次々と上がり、合意形成が進まない状況が続きました。一度決まった内容が再び議論されるなど、前に進むのに相当なエネルギーが必要でした。
建替え決議が通った後も、細部にわたる調整は続き、理事としての根気と粘り強さが問われる毎日でした。
 左:東京建物(株)担当者 右:麴町山王マンション理事長
左:東京建物(株)担当者 右:麴町山王マンション理事長
事業協力者として東京建物を選んだ理由
当初は還元率やネームバリューを軸にデベロッパーを検討していましたが、なかなか決め手が見つからず、膠着状態が続いていました。そんな時、私が所有していた空室を売却したことが転機になりました。
その部屋を購入した不動産業者から、『Brillia 駒込六義園』の建替えプロジェクトに関わっていたコンサルタントを紹介されたのです。実際にその実績や姿勢を見て、これは信頼できると思い、2016年に東京建物を事業協力者として採用しました。
一番の決め手は、地権者に寄り添った提案姿勢と、立地の価値をしっかり活かそうとしてくれる開発力。「この場所をもっと良くしてくれるのは東京建物だ」と自然に腹落ちしました。

建替え事業における東京建物の役割
東京建物は、ただのデベロッパーではなく、パートナーでした。
スケジュールやコスト管理はもちろんのこと、私たちの細かな要望や懸念にも真摯に向き合ってくれました。2016年から2021年の5年間、基本の図面を大きく変えることなく、その中でどうすれば各地権者の意向を汲み取れるか、丁寧に説明と調整を続けてくれたのが印象的です。
特に、住居兼事務所として活用している方も多かったため、管理や使い勝手に関する要望も多岐にわたりました。そうした声にも、東京建物アメニティサポートとの連携を通じて、的確かつ柔軟に対応してくれたと思います。
地権者の声をひとつひとつ丁寧に拾い上げ、納得してもらえるように。そうした姿勢が信頼につながり、プロジェクト全体を動かす原動力になりました。

新しいマンションに対する想いと期待
従前のマンションには、管理面でも構造面でも様々な課題があり、不安が尽きない日々でした。
だからこそ、今回の建替えでは、「これから先も安心して暮らせる場所にしたい」という想いが強くありました。傾斜地という難しい条件下でも、基礎免震構造を導入し、設備も最新のものを採用。ようやく本当の意味で、“安心・安全で快適な住まい”を手に入れられることに、大きな期待を寄せています。
 Brillia 二番町 完成予想CG
Brillia 二番町 完成予想CG

